男の娘の名探偵、シャルロッテ・ホームズ



「情報は、これだけか……」

聞き込みを終え、ロンドン警視庁に戻ったシャルロッテたちは、情報をまとめていた。

「いや、これで十分だよ」

ニヤリ、とシャルロッテは笑う。

「恐らく誘拐犯は、ここのお店の店員さんだ」

どこからともなく地図を取り出したシャルロッテは、とあるお店を指差した。

「そこって、最近オープンしたカフェだよね?」

「そうだね。でも、誘拐される日、誘拐された人は、この店に寄ってるんだ。おかしいとは思わない?」

「確かに……」

「なら、確かめに行くか」

シャルロッテの突然の言葉に、レイモンド警部とハルは驚く。

「確かめるって、どうやって?」

ハルの問いかけに、シャルロッテは「実際に誘拐される」と微笑んだ。

「……誤解される言い方だから言い換えるけど、誘拐される直前まで持ってくんだ。実際に、女装して……ね?」

予想外のシャルロッテの言葉に、レイモンド警部は「おいおい……」と苦笑する。

「誘拐犯は、可愛い女の子が好きだと見た。話を聞く限りだとね」

「そんなことまで聞いてたの?」

「聞いたよ。犯人が、どんな感じの女の子を好きになるのか知りたかったから……」
< 4 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop