❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀

第二章-――お見合い―――

―――
―――あれから、彼女は卒業制作を作り、『羽田菜緒-――ベーカリーーーー』というパン屋さんで、働く事になった―――。ルージュという店は、とてもレベルが高く、とても砂糖や味を気にしている店であり、とてもじゃないけど、彼女には無理だと言われていた。どうして彼女は此処までパン作りに励むのか―――。
それは―――菜緒は、元からパンが好きで在り、母親に作り方を教わり、製菓学校に入った。
製菓学校は食物科でもあり、栄養学科にも匹敵する。パティシエを営もうとしても、パンだけでなく、チョコレートも作りたくても、彼女にとって―――師匠から、駄目だと言われてしまった。
駄目だと言われているのに、彼女は―――菜緒は、東京製菓学校に高校の時に、入れて貰った。
三年間、必死に勉強し、彼女は『―――ルージューーー』と言う店で、働けるようになった。
菜緒は今、恋人は居らず、友達もあまりいない。友達と言っても、此処での友達しかいない。仲間は大事だが、彼女は―――菜緒は、ずっと好きな人がいるわけでもないし、どうしようか?―――そう思っていた―――。取り合えず、彼女は見合いをしようか?―――両親に勧められる事になった。お見合いは同じ人なら、何回でもあり、彼女は―――どうしようか?―――そう思っていた。
お見合いの写真は貰っており、一番経歴の良さそうな人が良い―――そう思い、一先ず、決めた。
お見合い結婚なら、合コンより、経歴があるから、良いんじゃないかと思ってしまった―――。
お見合いの相手は―――なんと、自分と同じ年の、有名なパン屋の男性であり、この写真を見た途端、良い人だと思ってしまった―――。
―――名は―――
―――菊地智也―――
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