❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀
御餅づくりに苦戦しており、二人は天手古舞だった。御餅を食べるのは、新年が明けてからなのに。カビが生えないように、きちんとしまっておかなくてはならない。御餅は日本では、食べなければならない。餅はとても美味しく、辛み餅と黄粉とあんころ餅があり、とても美味しい筈だ。智也はそれらを作ると、『一つ―――味見してみるか?』と、問いかけて来た―――。其の言葉に、菊地菜緒は眼を丸くすると、『―――あら・・・良いわね・・・』と言い、黄粉を取った―――。
黄粉はとても甘く、もち吉によく合い、色々な味のもち吉を作る事にした。もち吉大好き人間だ。
『―――御雑煮にも・・・よく合うわね・・・私の父・・・御雑煮が大好物で、結構、美味しい御雑煮が作れるの。貴方にも、食べさせてあげたいわ。来年は両親も混ぜて食べましょう?』
その言葉に、智也は二かッと笑い、菜緒は美味しそうにもち吉を頬張っていた。もち吉は智也の大好物-――彼女に喜んで貰えて、良かった―――そう思った。もち吉づくりを終えると、友達を呼ぶ事になった。両親は来年まで待つと言っており、友達と一緒に食べる事にした。
『―――貴方達・・・両親と食べなくて、良かったの?互いの両親を呼べばいいのに―――。』
二人は顔を見合わせると、『―――友達と一緒に食べるのが、滅多になくて・・・いつも両親とばかり、初詣にいくから―――。貴方達と・・・食べたいな、そう思って呼んだのよ―――。』
由利と紗枝はくすりと笑うと、『―――良いわ・・・良いお年を、と言うつもりだったからさ・・・』と笑いながら言った。由利と紗枝は大の仲良しで、いつものように、大晦日に近づくと、『―――良い・・・お年を―――』と、暮れの挨拶をした―――。
『―――良いわ・・・皆で、食べましょう―――。』
―――もち吉-――
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