もしもこの世界がバラ色なら私は幸せなのでしょうか。
「それは、どうして?」

「私バイトしなきゃいけないんだよね。…親に渡すお金がなくなっちゃう。」


まだスタートラインに立てただけなのに。

「何か悩んでること、ある?」


彼女は不器用な笑顔で

「ううん。ないよ。」




そんなの嘘なのに。


「本当は泣きたいんじゃないの?」

少しイライラしてそのまま病室を出た。

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