乳房星(たらちねぼし)・ドラマノベル版

【けんかをやめて】

時は流れて…

2000年12月24日の正午頃であった。

イワマツグループの全メンバーたちが世界各地でクリスマス休暇を返上して活動しよるのに、尾鷲市のたつろうさんの実家でどーでもええもめ事が発生した。

たつろうさんの実家の大広間に、おおぜいの人たちが集まっていた。

大広間では、ゆりこと麗彦の結婚披露宴が行われていた。

集まった人たちは地区の人たちが9割で、親類は美代子元史夫婦と政子六郎夫婦だけであった。

てつろうは『市役所の球技大会がある…』、イトは『高校時代の友人たちと大阪へ遊びに行く…』、和子もなんらかの理由をつけて出て行ったので、不在である。

この時、結婚披露宴はバイシャクニンさんによる民謡が披露されている。

民謡は、この地区に代々伝わる婚礼歌である。

黒の紋付きはかま姿の麗彦と白の文金高島田姿のゆりこは、ものすごくしかめた表情を浮かべている。

そんな時であった。

「よーくぅ~ん、ゆりこちゃ~ん~」

この時、ド派手なギャルの格好のシホちゃんたち4人がやって来た。

シホちゃんたち4人が突然乱入したので、余興が中断した。

同時に、出席者のみなさまが動揺した。

あのコたちは、一体なにしに来たのかしら…

新婦の友人たちの家のおやごさんの教育が悪いねぇ~

出席者のみなさまは、ヒソヒソと話をしていた。

しかし、シホちゃんたち4人はそななことは気にせずに土足で上がり込んだ。

土足で上がり込んだ4人は、麗彦とゆりこになれなれしく接近した。

「よーくぅ~ん、結婚おめでとう~」

麗彦は、ものすごく怒った声で言うた。

「オンドレらは、なにしに来たんぞ!?」
「(なれなれしい声で)そないに怒らんでもええやん…ちいちゃいとき、ゆりこちゃんと結婚したい言うていよったやん。」
「そななことは言うてへん!!」
「(ますますなれなれしい声で)ウソ言われん…うれしいくせに…けんちゃんからゆりこちゃんを奪い取ったけん勝ったんでしょ~」
「出てゆきたまえ!!」
「せっかくお祝いに来たのに、そなな言い方してええの?」
「せやせや。」

4人は、料理の手伝いに来た近所の奥さまたちに『ビール持ってきてぇ~』と言うた。

このあと、4人はありったけのアサヒスーパードライのビール瓶をあけて、一気にゴクゴクとのみほした。

メイテイ状態におちいったシホちゃんとユーキちゃんが麗彦とゆりこにちょっかいを出しまくっていた。

アキちゃんは、出席者の若い男性たちからゼニをたかるなどしていた。

その時であったが、受付の人がぽんぽん(お腹)壊してトイレに行った。

それをみたマヨちゃんが祝儀袋をたかった。

そして、シホちゃんとマヨちゃんとアキちゃんのもとへ持っていった。

シホちゃんは、麗彦に『リホちゃんの身体をズタズタに傷つけてブランド品を強奪して逃げたことを会社にチクるわよ…』と言うて、祝儀袋のカネチョーダイと言うた。

シホちゃんが言うた言葉にブチキレた麗彦は、ユーキちゃんのこめかみをグーで殴りつけた。

(ガツーン!!)

「いたーい!!」
「オドレ!!いて回したろか!!」

麗彦は、シホちゃんがユーキちゃんとアキちゃんをボコボコにいて回した。

「やめて!!ゆりこのお友だちになにすんのよ!!」

麗彦を止めようとしたゆりこは、麗彦に突き飛ばされて倒れた。

マヨちゃんは、出席者の男性20人からボコボコにいて回されて倒されたあと、衣服をズタズタに破られて犯された。

「よーくん助けて~よーくん助けて~」

それから20分後に、麗彦とさわぎに加担した男たち少なくとも30人前後が傷害罪などで逮捕された。

ボロボロに傷ついた4人も、過去に男がらみのもめ事を起こした前科があることとヤクザの男少なくとも10人を死傷させた容疑などでケーサツに逮捕された。

20世紀最後のクリスマスイブだというのに、なんやねん一体もう…
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