乳房星(たらちねぼし)・ドラマノベル版

【エピローグ・陽はまた昇る】

時は、深夜2時過ぎであった。

(ズドーン!!ズドーン!!)

「ヨシタカ…ヨシタカいるか…おとーさん殺されてしまうよぅ…助けてくれぇ…」

遠くで銃声となさけない男の叫び声が聞こえた。

私の実父の声だ…

溝端屋のダンナがいよった通りに、この付近に実父がセンプクしていたんだ…

事件が発生した時、私は起きていた。

身の危険を感じた私は、ショルダーバッグを持って公園から逃げだした。

この時間は、JRも西鉄も運行していないので電車に乗れない。

はよ逃げなきゃ…

私は、必死になって逃げ回った。

朝5時半頃であった。

やっとの思いでJR二日市駅についた。

どこへ逃げようか…

とにかく、安全な場所へタイヒしないと…

朝6時過ぎに、熊本方面行きの快速列車が入りますと言うアナウンスがあった。

私は、大急ぎで熊本方面へ行くプラットホームへ行った。

その後、快速列車に乗り込んだ。

(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)

座席に座っている私は、ひどくおびえていた。

はよ日本から出国したい…

でも、その前に松山にいる晶姐はんに会いに行こうか…

この列車は、終点熊本までの間、鳥栖・久留米・瀬高・大牟田・荒尾・玉名に途中停車する…

久留米で降りて、そこから博多行きの特急つばめに乗り継げば上りの山陽新幹線に乗り継いで広島へ行ける…

どないしようか…

私は、ひどく迷っていた…

そうこうしているうちに、久留米駅を過ぎてしまった。

特急つばめは、終点熊本駅からでも乗れる。

そんなにあわてることはないか…

どないしようか…

快速列車は、荒尾駅に着いた。

私は、ショルダーバッグを持って急いで降りた。

そして、改札を通って駅の外へ出た。

時は、朝7時過ぎであった。

私は、海岸沿いの埋立地にやって来た。

この時、東の空が少しずつ明るくなっていた。

私は、ぼんやりとした表情で夜明けの海をみつめていた。

シーンはみにくいあひるの子の話の世界にて…

みにくいあひるの子は、自分のしあわせをさがしていたが、もうギブアップする手前になった。

みにくいあひるの子は、池のほとりにペタンと座り込んだあと声をあげて泣いた。

「マァマに会いたいよぅ…」

みにくいあひるの子がおいおいおいおいと泣いていた時、どこかで優しい声が聞こえた。

「よーくん、今までつらかったよね…おいで…」

次の瞬間、みにくいあひるの子の身体をやさしい光が包んだ。

12月24日の深夜4時頃であった。

場所は、プリンスエドワード島の本籍地の家の特大豪邸のオルドにて…

深眠(ねむり)についていたヨシタカの閉じている目から涙がいっぱいあふれていた。

「アンナさん…よーくんに目覚めのキスを与えて…」

マァマは、泣きながらアンナによびかけた。

アンナは、ヨシタカのくちびるに目覚めのキスをした。

ヨシタカは、アンナのキスで目覚めたのと同時に桜子たちとアンナのもとへ帰ることができた。

「ヨシタカ…ヨシタカ…」

深眠(ねむり)からさめたヨシタカは、アンナのふくよかすぎる乳房に抱きついて泣いた。

アンナは、ふくよかすぎる乳房に泣いているヨシタカとを抱きしめて泣いた。

桜子たちも一緒に泣いた。

ヨシタカ…

桜子たちとアンナのもとに帰ってきてくれてありがとう。
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