roadside stone love
――翌日。

眠たくて腫れぼったい眼を擦りながら、近所の友達・花井 ゆかと一緒にスクールバスの停留所へと歩いていく。
今日はまだ二日目で四校時までしかないが、体育があるためサブバッグに体育着を入れて持ってきている。

「あー眠ぃ」

「ちゃんと寝なかったからでしょ」

ぽつりとこぼした言葉に、ゆかが辛辣だが図星を突いている言葉を発する。いや、その通りです。ほんとに。

「なんでかなぁ、ちゃんと6時間寝たんだけど」

「いやそれはちゃんと寝たって言わないから」

俺のボケに即座にツッコミを入れてくれる。さすが俺の相方だぜ。
というか、バス停まで遠くないか。徒歩10分のバス停なんて......



「着いたぁ、遠すぎるわまじで」

まぁまぁと苛立った俺をなだめて、サブバッグからネームプレートを取り出すゆか。その仕草一つ一つが可愛い。身長は俺より10センチ近く小さいのに、誰より強くて大人っぽい。
そんな邪なことを考えていたら、緑が目立つ俺たちのスクールバスが来た。

「乗るか」

そうぼやいて、バスに乗り込んだ。
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