Seven...YUKI


「ちがいますっ!…あの…あたし…
別に相田先輩のことなんとも
思ってないんで…
そう言ってもらえませんか?」



「…」



じっとあたしの瞳を見つめる先輩。



「…あっそう。分かった」



「え?」



あっさり承諾してくれた先輩に驚く。



「あんたもあたしの噂聞いてるんでしょ?
あたしあんたが思ってるより話の
分からない女じゃないよ?」



…?



「確かにあたしは、今まで竜と関係を
持ってきた女をぼこぼこにしてきた。
けど、竜に言い寄られただけの
女は相手したことないから。
竜はああ見えてそこまでモテる男
じゃないから真面目なお嬢様タイプには
全然相手されないの。
だからそういう女には絶対手を
出さないから安心しな?」



そう言って優しく笑ってくれた。



その笑顔は友達から聞いたような
先輩じゃなかった。




「それじゃあそろそろその手
離してくれない?
竜のこと捕まえにいかないと…」



「あっ!すみません!」



あたしは急いで手を離した。



それを見て少し微笑んだ
先輩は走っていった。

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