超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
「……時間も遅いし、さっそく本題に入ったほうがいいかな?」
急にさっきのおちゃらけた雰囲気が消える。
今日いちばん大きく、心臓が動いた。
意識して呼吸をゆっくりにして、気持ちを落ち着かせようとした。
「そうだよ。おれはaozoraのソラだ」
わたしのほうに体を向けて真っ直ぐに伝えてくれた空野さんの瞳はなぜか揺れていた。
確信はあった。
それが現実になる。
わたしの目の前にいるのはアイドルだ。
正直いまでも、あまりピンときていないけれど。
一瞬の間が永遠にも感じられる。
「ゆきちゃんの言う通りだよ。ごめんね、黙ってて」
「とんでもないです!わたしこそ、無知ですみません!空野さんはいま大注目の方だと聞いたのに知らなくて……」
知り合ってからもう3か月経とうとしている。
あれだけお店に通ってくれてたくさん話して、素顔も見たのに知らないだなんて申し訳なさすぎる。
「本当に、すみません!!」
頭を下げて謝罪をする。
そんなわたしの頭上から降ってきたのは空野さんの笑い声だった。