魔法使いの僕はジョーカー
雪兄の後をついてくと、雪兄は突如現れた穴の中に飛び込んでいく。それを抜けると、僕らの暮らしてる町とは違った町並みをした場所に出た。

「……ここは……?」

「お!雪也(ゆきや)くんの弟くんかな?」

声がした方を見ると、金髪に黄色い目の男の子がふわふわと空を浮いてる。胸元には、黄色のダイヤ型の飾りの付いたリボンが付いてた。

「ダイヤ……そうだよ。彼は、千秋。俺の弟」

「そっか!じゃあ、同じ魔法使いか!」

ニコリと、ダイヤと呼ばれた男の子は笑う。

「あ、自己紹介が遅れたね。僕は、ダイヤ。千秋くんと同じ魔法使いだよ!あ、そうだ。雪也くん……マリン先生が、雪也のことを呼んでるよ」

「え?何で?」

「ん~……分かんない!でも、千秋くんのことだと思う」

「分かった。行ってみるよ」

「僕も行く!」

そう言って、ダイヤは呪文を唱えた。その瞬間、視界が歪む。それが治まると、どこか知らない場所にいた。

「やっぱ、移動魔法は慣れないや」

「魔法、苦手だもんね。千秋くん、この感覚……慣れたら平気だからね」

ダイヤが言った瞬間、目の前にローブを来た髪の長い女性が現れる。

「……初めまして、ですよね。私は、マリン。この魔法学校の校長です」

……え?ま、魔法……学校?

「……ここはね。俺らが暮らしている世界じゃない。ここは、魔界。魔法使いの暮らす世界なんだ」
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