紅の華_

◇確かな温もり



“携帯を返して欲しかったら、昼休み裏門まで来い。”


朝、下駄箱に入っていた紙切れ。

嫌な事が待ってる時の時間とは過ぎるのが早いもので、今はもうお昼休み。



「芽依?どこ行くの?」

お昼ご飯を一緒に食べるつもりだったのか、お弁当片手に2年の教室前に来ている理緒。

理緒に勘づかれては迷惑をかけてしまうから、適当に誤魔化して行こう。



「ちょっと先生に呼ばれてて。ごめんね」


そう言うと、仕方ないねと口では言っていたけどまるで捨てられた子犬のような目で見てくるから胸が傷んだ。





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