世界でただ一人のヒーラーは生殺与奪を握ってます。
アリシアはクロエに視線を向けつつ近くにおいてあったタオルを掴むとそれを体にまいた。一連の動きにクロエは見とれていた。クロエを現実に引き戻したのは、アリシアの澄んだ心地よく響く声だった。
「・・・何か御用でしょうか?」
クロエの視線に性を見るような気配を感じてアリシアは警戒し、一定の距離をとっていた。

明らかに警戒されている事に気づいたクロエは言葉を取り繕う。
「待って、誤解しないで・・・変な目で見てたわけじゃないから、ほら、私の腕を見て、筋張っているでしょう。・・・だからあなたの綺麗な体つきがうらやましくて、つい見とれてしまったの」
アリシアはクロエの腕見て、
「とても綺麗です、積み重ねた修練が伺えます・・・それに失礼かもしれませんが、私なんかよりも男性は貴方様ような体型に惹かれるかと思われます」
クロエは恥ずかしそうに二の腕をさすった。
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