前世で生き別れた夫と、来世で再び会いました。
 そして、今。

 私を助けてくれた人が、私の前世の夫…怜菜に、似ているのだ。

 本人かどうかは、全く見当がつかない。

 でも……なぜか、怜菜だと。

 そう、思えてしまった。

「どうしたの?」

「あっ、いや…」

 聞けるはずもない───絶対に、知るはずもないのだから。

「名前は?俺はレオンっていうんだ」

「私は…リナ」

「リナか。可愛い名前だな」

 ……前世でも、怜菜は私の名前を『可愛い』と褒めていたなぁ…

「その…どうして、私を…?」

「いや、前から聞いていたんだ。この学年に、“無能力”の異端児がいるってこと」

 …私のことを。

「で、その子がいじめられてるっていうことも」

「でも、どうして…」

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