前世で生き別れた夫と、来世で再び会いました。
 数日後、化学の授業の帰り。

 私は、1人でとぼとぼと廊下を歩いていた。

 こんなにも、独りが寂しいなんて。

 きっと、レオンに出会わなかったら…こんな風には思わなかっただろう。

 本当に、レオンには感謝しかない。

 男子たちが、廊下の端で話をしていた。

 私は気にせず、横を通る。

 すると、足先に硬い感触があった。

「あ…」

 見ると、1本のペンが転がっていく。

「あーあ、俺のペンが!ねぇ、お前さ…どう責任とんの?」

 ……嫌な予感がする。
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