前世で生き別れた夫と、来世で再び会いました。
 前世でも、彼は私を玩具《おもちゃ》にしていた。

 どこで私のことを知ったのかは分からない。

 でも、岩代徹は私の名を知っていて、さらう前…私の名を呼んで、そして私がひるんだ隙に…私を誘拐(ゆうかい)したのだ。

 私は監禁され、そしてこの今の状態のように…弄ばれることも多々あった。

 最終的に、私は見つかることもなく…命を落とした。

「……現世では、名は何というの」

「俺か?センリだ」

 ───センリ。

 どこまでも、どこまでも憎らしい…。
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