前世で生き別れた夫と、来世で再び会いました。
「っ、はぁ…っ」

「諦めて、俺の指で気持ちよくなれよ?」

「っ…いや!」

 乙女として、それだけは嫌だ。

 けれど…カラダが喜んでいることも事実だ。

 自分の意識でどうしようもないことが、もどかしい。



 媚薬の効果を鎮めるため、センリにされるがままにしていると、レオンの姿が見えた。

 彼は、こちらを見てただただ呆然としていた。

 いや───こちらを見てはいなかった。

 彼は私たちではなく、どこか遠くを見ていた。

 助けてほしいのに、声が出せない。

 どうしようもなくて、私はギュッと目を瞑った。
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