前世で生き別れた夫と、来世で再び会いました。
 今日もまた、地獄の1日が始まる。

「お前、ほんと()りないな?」

「なぁ?“無能力”のくせに、さぁ」

 男子たちが、私を嘲笑(あざわら)う。

 私は目を伏せたまま、身動きしない。

「“無能力”は“無能力”なりに、家で読書でもしてろよなぁ?」

「“能力”の授業『以外』は全部成績良好の、クソ真面目ちゃんよぉ?」

 …クソ真面目。

 真面目で、なにが悪い。

 “能力”がない代わりに、と頑張っている。

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