前世で生き別れた夫と、来世で再び会いました。
 思ったことが口に出たかと思ったが、その声は私よりも一段…いや、二段くらい低い。

 誰、だろう。

 でも怖くて…顔が上げられない。

「あ?なんだよ」

「彼女は“無能力”なりに、他のところで頑張っているだけじゃないか」

「ッ……!」

 今まで、言えなかったこと。

 それを…彼は、私の代わりに…。

「それまで否定するのは…とても彼女がいたたまれないと思わないのか?」

「…んだよテメェ、口答えすんのか!?」

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