夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
ものすごく悲しそうで、つらそうで、そんな時でさえわたしに笑おうとする水城くんを見て、胸の奥が苦しくなった。


「どうしたの? 大丈夫?」


「んーたぶん……?」


なぜ疑問形?


逆にわたしが疑問を持ってしまうような答え方に、わたしは気づいたら


「水城くんのことも、教えて……?」


そう言っていた。


水城くんはわたしの過去を知っても受け入れてくれた。


だから、わたしも水城くんの過去を受け入れたかったんだ。


少し驚いた顔をした水城くんは、あの日みたいに悲しそうに笑って「ありがとう」と言った。
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