夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
「もう行かなきゃ」と水城くんが言って背中を向けた時、わたしはその言葉にはじかれたように顔を上げた。


「あ……」


私が水城くんを見た時、すでに彼は背中を向けていた。


小さくなっていく背中を見つめて、わたしはこんな時でさえ何も応援できなかった自分に悲しくなった。


いくら喧嘩してたって、応援くらいはすればよかったな……。


わたしはぼーっとしながら決勝戦を見ていた。


「花凪」


隣から瑠璃の声が聞こえて彼女の方を見ると、彼女は少し怒ったような顔をしながら水城くんを目で追っていた。


「花凪の知ってる千尋はどんな人?」


「…………」
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