夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
あっという間に小さくなった水城くんの背中を見ながら、彼の言葉を繰り返す。


「また明日……」


また明日。


その言葉に、なんだかじんわりと胸が暖かくなった。


前の学校では、そんなこと言われたことなかったなあ。


水城くんがもう見えなくなってから、彼の笑顔を思い出す。


水城くんの笑顔はまるで、いちばん星だ。


どの星よりも最初に光って、辺りが暗くなる前に照らしてくれるいちばん星。


水城くん、また明日。


心の中でつぶやいて、私は家に帰った。
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