血に濡れた上履き

偶然?

始発。

眠い目をこすり、電車に乗り込む。

一番端のお気に入りの席に座り、スマホを取り出す。

スマホを操作し続けていると、甘いローズの香りが鼻孔をくすぐった。

私の隣に座ってきたのは……

白く清潔感溢れるリゾートハット、黒色のワンピースを着こなし、自然な茶髪をゆるく巻いた女性。

マリアだ。

マリアがこっちを向いた。

その瞳はとても曇っていて、あの天使のマリアとはとても思えなかった。

けどその他の特徴は一致している。

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