センチメンタル・ジャーニー Ⅱ ~俺が本当に守りたい人

俺は カンナのことを 

全部 葉月に話した。


カンナと 付き合っていた時のことも

別れたあとのことも 全部。


俺が カンナを どう思っていて

どうして カンナを 拒めないのか。


俺の 長い話しを 真剣に 聞いてくれた 葉月。


「奏斗 辛かったね。」


葉月が 発した言葉で

俺の心は 崩壊してしまった。


込み上げる嗚咽を 抑えられずに

膝の間に 顔を伏せて…


俺は 葉月の前で 声を上げて 泣いた。


大人ぶることも カッコつけることも

全部 忘れて 裸の心を 曝け出して。


大人になって 初めて 激しく泣いて…


葉月は そんな俺の 背中を 優しく撫でていてくれた。


「ゴメン 葉月。俺 最悪だな。超カッコ悪いよ。」

ようやく 顔を上げて 葉月を見つめる俺。


「ううん。弱い奏斗が 身近で 愛しい。」


葉月は はにかんだ笑顔で そう言った。


「葉月…」

そのまま 葉月を 押し倒したいほど

俺だって 葉月が 愛しくて 切なくて。


夢中で 葉月を抱き締める…


今度は 葉月が 俺の腕の中で

声を上げて 泣きだした。


「葉月… ゴメンな。寂しかったよね…」

俺も 葉月が してくれたように

そっと 葉月の背中を 撫で続けた。


俺の 愛情を 全部 掌に込めて…






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