気がついたら好きだった
「では、約束通り家まで送るので、あちらの道路沿いで待っててください」
そう言うと、西音寺さんは、席を立ち奥の部屋に入って行った。

私は、言われた通り道路沿いへと向かった。

不意にスマホを手にして、ホームボタンを押すと健兄から何回も着信があった事に気付いた。

恐る恐るかけてみると、

「もしもし」

「もしもし凛?」

「うん」

「あー、良かったやっと繋がった」
健兄がほっとした声でそう言うと、

「えっ、凛?ちょっと変わって」
と言う唯斗君の声が聞こえてきたので、
慌てて切り、
健兄に

“今から帰る”

と、メールをしてスマホをしまった。

その後すぐに、西音寺さんの車が来て助手席に乗るよう言われ乗車した。

「お願いします」

「はい、カーナビに住所入れるから教えてくれますか?」
と聞かれ、伝えると車が出発した。

それから15分程で家に着いた。

「ありがとうございます」

「いえいえ、1人で家に入れそうですか?」

「はい、大丈夫です」
私は車を降り玄関のドアを開けた。
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