解体
朝、ゆうが俺の頬を叩いていた。
効果音をつけるなら、「ぺちぺち」だな。
「...なんでしょう?」
「......。」
そう聞けば、叩くのを止めて、俺の腕と腕の間
つまり、からだをくっつけるようにして
布団に潜ってきた。
「.....っ。だめだ。これ。」
顔を隠しながらそう言うと
ゆうが慌てて出ようとしたから
抱き締めてやった。
もう我慢するもんか。
ゆうが少しからだを震えさせていたから、
「大丈夫ですよ。怒ってません。
怖いこともしませんよ。大丈夫です。」
「......。」
そう言えば、ゆうは頷いた。
震えも止まってきた。
そんなとき、腕の中にいるゆうと目があった
つまりゆうは、上目遣いなわけで
さっき我慢しないと決めたから。
我慢しないで、おでこにキスをした。