溺愛は蜜夜に始まる~御曹司と仮初め情欲婚~
営業企画部の片隅のテーブルで梨乃は軽くため息を吐いた。
残業の合間に小野と向かい合って休憩をとっているが、休憩というより間食の真っ最中だ。
梨乃は今、クリスマスのチョコレートフェアだけでなく年明けのバレンタイン企画も進めている。
クリスマスにチョコレートを大々的に使うのでバレンタインでは和菓子をメインに押し出すと決まっているのだが和菓子を使うフェアは初めてで事前準備や根回しも多く、とにかく忙しいのだ。
「折原さん、副社長の嫁になっても僕と一緒にカップラーメン食べましょうね」
「な、なによ急に……んっ」
ラーメンを食べていた梨乃は小野の言葉にむせ、慌ててペットボトルのお茶を飲んだ。
「副社長の嫁って、そんなのまだわからないし。からかわないでよ」
「まだわからないっていうのは、侑斗さんが副社長になることですか? それとも折原さんが嫁になるってことですか?」
「だからそういうことは……その。わ、私にはわからないしノーコメントで。あ、でも侑斗さんが副社長になるのは決まってるから……」
「じゃあ、侑斗さんの嫁になるかどうかは未定ってことですか?」
残業の合間に小野と向かい合って休憩をとっているが、休憩というより間食の真っ最中だ。
梨乃は今、クリスマスのチョコレートフェアだけでなく年明けのバレンタイン企画も進めている。
クリスマスにチョコレートを大々的に使うのでバレンタインでは和菓子をメインに押し出すと決まっているのだが和菓子を使うフェアは初めてで事前準備や根回しも多く、とにかく忙しいのだ。
「折原さん、副社長の嫁になっても僕と一緒にカップラーメン食べましょうね」
「な、なによ急に……んっ」
ラーメンを食べていた梨乃は小野の言葉にむせ、慌ててペットボトルのお茶を飲んだ。
「副社長の嫁って、そんなのまだわからないし。からかわないでよ」
「まだわからないっていうのは、侑斗さんが副社長になることですか? それとも折原さんが嫁になるってことですか?」
「だからそういうことは……その。わ、私にはわからないしノーコメントで。あ、でも侑斗さんが副社長になるのは決まってるから……」
「じゃあ、侑斗さんの嫁になるかどうかは未定ってことですか?」