溺愛は蜜夜に始まる~御曹司と仮初め情欲婚~
「でも、発表されたら大騒ぎになるでしょうね」

藍香の艶やかなステージ衣装を思い出し、華やいだ披露宴になるだろうと想像しながら資料を読み進めた。
白石ホテルで挙式と披露宴を引き受ける場合の準備期間から当日までの綿密なスケジュールに始まりマスコミ対応や警備の詳細、費用なども書かれていた。
そして、昨日顔を合わせた村野は新郎の父親である沢渡外務大臣の秘書で、恭介の結婚式に関する対応を任されている。
大臣からの信頼も厚く、披露宴会場の選定にも村野の意見が大きく影響するらしい。

「本来なら婚礼部や梨乃がいる営業企画部が彼女とやり取りするべきなんだけど、直接俺を指名してきた」
「指名?」

梨乃は目を丸くし心臓がとくりと跳ねた。

「そう。俺が彼女の対応をするというのが結婚式と披露宴の会場候補として考える条件だそうだ」

うんざりとした声で顔をしかめた侑斗は、その後も資料に沿って説明を続けた。

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