溺愛は蜜夜に始まる~御曹司と仮初め情欲婚~
梨乃はしばらくの間黙り込み、その後くすりと笑った。

「私、頭を打ったんでしょうか。今、婚約者と聞こえたんですが。おかしいですね」
「おかしくない。婚約者、たしかにそう言ったんだ。折原……いや、梨乃、早速俺のマンションに引っ越してこい」
 
梨乃は目の前にある侑斗の端整な顔に見惚れながら、やはり自分は頭を強く打ったに違いないと思った。



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