溺愛は蜜夜に始まる~御曹司と仮初め情欲婚~



侑斗は梨乃の戸惑いにも「これからはなにも心配しなくていい」と簡潔に答え、退院した彼女を躊躇なくそのまま自分が住むマンションに連れてきた。
高級店が立ち並ぶ一等地に立つタワーマンションの最上階が侑斗の自宅だった。
最上階に通じる専用のエレベーターを降りれば目の前には玄関ドア。
同フロアには侑斗以外の住人はいないらしく、そのあまりにも静かな空気に梨乃は一瞬立ちすくんだ。
侑斗に背を押されるまま恐る恐る部屋に入れば、4LDKという響き以上に広い室内に再びたじろぐ。
玄関だけでも梨乃が住んでいたマンションのリビング並みの広さだ。
侑斗はリビング近くの部屋のドアを開いた。
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