ONLY YOU~過ちの授かり婚~
_________
______

仕事を片付け、二週間振りに彼は邸宅に戻った。

長く甘いキスを交わし、顔と顔を突き合わせる。
互いの口許には笑みが零れた。

「愛してるよ。乃彩」

「私も愛してます・・・純也さん」

そして、またキスを交わして、彼の手が私のバスローブに触れて来た。

「お腹、少し出てるけど…すいません」

「…何言ってんだよ。君のお腹の中に居るのは俺と君の子だ。
日に日に成長している。五ヵ月になっても、お腹出てない方が…気になる」


「純也・・・さん!?」

「何か少しでも…ヤバいと思ったら、拒否してくれ。いいな。乃彩。俺のコトよりもお腹の子の方が優先だ」


彼はそう言って、遠慮気味に私の肌に触れた。

壊れモノを扱うように優しく丁寧に触れる彼の手や唇。

やはり、彼は妊婦の私を労わり、最後までしなかった。

「ゴメンなさい…」
私は彼を満足させられず、謝る。

「いいよ…こうしてキモチを重ねられたんだ。俺はそれだけで嬉しいよ…」
純也さんは私に腕枕をしてくれた。
そして、至近距離でお喋り。
「夜は遅いし、もう寝るぞ・・・乃彩」

「はい」

「おやすみ、乃彩」

「おやすみ、純也さん・・・」






< 145 / 196 >

この作品をシェア

pagetop