ONLY YOU~過ちの授かり婚~
ほとぼりが冷めるまで我慢と思いながらも、どんどんと波紋は広がり、ネットやSNSにも拡散し、事態の収束は全く見えなかった。

私は突然の出血で入院。医師の診察では『全前置胎盤』と言われ、このまま出産まで管理入院するコトになった。


東亜医科大付属病院。

「乃彩」

純也さんが千歳さんから連絡を受けて、お忍びで病室を訪問。

二週間振りに会う彼は少し窶れ、疲労感が漂っていた。

「純也さん…」

私がカラダを起こそうとすると彼は『寝てていい』と制した。

「すまない…俺の為に…身重の君に心配を掛けて・・・」

「純也さんこそ、大丈夫?
私とこの子は大丈夫よ。
今は自分のコトだけを考えて…」

「そんなワケにはいかない」

互いのカラダを労わり合った。

彼の大きな手が私の手を包み込んだ。

< 166 / 196 >

この作品をシェア

pagetop