ONLY YOU~過ちの授かり婚~
懐石料理を食しながら、『共栄薬品』の吸収合併に関する提示書類に二人で目を通した。

全て、『共栄薬品』に有利な条件となっていた。

これでは会社が『共栄薬品』に乗っ取られたのも同然。

父は顔面を蒼白させ、目の前でニヒルにビールを煽る各務社長を見つめた。

「不服ですか?蓮見社長」

各務社長は不敵に両端の口角を上げ、父に問いかけた。

「これでは…」

父は各務社長の迫力に押され、言葉を濁す。

「不服なら、さっさと会社を潰せばいい・・・」

「各務社長」

何も言えない父に代わり、意を決して私が彼に食って掛かった。
このまま、彼に怯んでしまえば、会社は彼の思いのままにされてしまう。それだけは避けたかった。

「不服ですか・・・俺は別に倒産しかけの会社を吸収しても、何のメリットもない。正直言って嫌なんですよ」

各務社長は不機嫌に眉を顰めて、空になったグラスを座卓に置いた。

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