ONLY YOU~過ちの授かり婚~
見ず知らずの男性の子を妊娠した現実が重く圧し掛かる。

夕食も喉を通らず、執事の花村さんが心配した。

――――産むコトはできない。

ベットの上で眠りながら漠然とそう思った。

枕許においたスマートフォンがブブブ…と振動する。

ディスプレイに表示されたのは徹さんからのラインメッセージ。

彼のラインを見て愕然とした。

徹さんは純也さんの出張に同行し、カンボジアのプノンペンに滞在。

そして、彼は私と純也さんの仲を知っていた。


『俺は今、伊集院頭取の出張に同行し、カンボジアのプノンペンに居る。
頭取とお前は交際してるんだよな?
頭取には婚約者が居て、お前のコトを愛人にすると言ってるけど、俺にはそうは思えなかった。
乃彩お前はどうなんだ?
俺とよりを戻す気あるのか?
それとも、今は頭取のコトを・・・
お前のキモチを俺に訊かせて欲しい。
お前のキモチ次第で、俺は頭取を説得するから』

「徹さん・・・!?」



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