ONLY YOU~過ちの授かり婚~
俺は報道陣に囲まれた乃彩を庇ってしまった。
あの分だと、俺と乃彩のコトを色々と書き立てるかもしれない。

でも、川瀬の死で俺よりも深い悲しみに暮れる彼女を放っておけなかった。

壬生に乃彩を任せ、駐車場で待ち合わせ。

車内の飛び込み、報道陣を撒くように、急いで会場を離れた。

一ヵ月振りに見る乃彩は少し痩せて、顔色も悪かった。

川瀬の突然の死で、食事も喉が通らないんだろう。

今の俺には自分を責めるしかできない。

視界が涙が霞んでしまった。俺を慰めようと隣に座る彼女が片手を伸ばした途端、急に倒れ込んでしまった。

「乃彩!!?」

俺の叫びは意識を失った彼女には届かなかった。

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