ONLY YOU～過ちの授かり婚～

敦司さんも副頭取と同じ疑問を抱いていた。

話をしながら歩いているとゲストルームに到着した。
ドアを開け、二人で中に入って、話を続けた。

「その理由を話せば・・・敦司さんはきっと怒ると思います。だから言えません」

「何か深い理由があるようだな。
私も無理に訊こうとは思っていない」

「敦司さん・・・」

「今夜は何も考えず、休めっ」

敦司さんは俺の肩を優しく叩き、踵を返した。

乃彩も多分・・・川瀬の通夜と告別式には参列するだろう。

俺は二人にとって邪魔な存在でしかない。
どうして俺が生き残ってしまったのだろう。

川瀬の代わりに俺が撃たれれば、全てが丸く収まったのに。