きっともう恋じゃない。
授業の最後に小テストと期末試験最終日に締め切りのレポート課題を大量に出されて一日目は終了。
明日明後日にもいくつかレポート出るだろうし、早めに取りかかった方がいいかもしれない。
そそくさと教室を出て行く人たちにいつもは紛れていたから気付かなかったけど、仲の良いグループはこんなに小さな集団でもいくつかは存在するらしい。
明らかに年上の人たちと、今日隣に座っていた子と同じような風貌の子たち。
隣にいたあの子は一人でさっさと出て行ってしまったけど。
三人のグループが二組と、それから新見くんと矢澤くんが残っていた。
「久野ちゃん、このあと暇? 飯行かない?」
「行かない」
「ええ、即答……なんか用事あんの?」
「ないけど……疲れたから帰りたい」
ほぼ初対面の人と食事だなんて、一日目にして次に繋がる気力が尽きてしまう。
今日は無理だときっぱり断ると、そんな理由だというのに新見くんはあっさりと引き下がる。
もっとぐいぐい来るタイプの人だと思っていたから、隠すことなく拍子抜けしていると、新見くんはバツが悪そうに笑った。
「引っ張ってでも連れてくと思った?」
「うん、ちょっとだけ」
そこまでの強引さは想像していなかったけど、ほとんど見抜かれたようなものだった。
いつの間にか三人になっていた教室のなかをぐるりと見渡して、つまらなそうな顔をする。
「べつに、ここに友だち作りに来たわけじゃないけどさ、なんか退屈なんだよな」
「アバウトなんだよ、おまえは」
帰り支度を済ませて携帯をいじっていた矢澤くんのツッコミが入る。
なんだかんだ、先に帰らずに待っているあたり、幼馴染みって関係は間違っていないのかもしれない。