きっともう恋じゃない。


「もっと、もっと強くなるから」

「レベル上げ宣言?」

「わたしと付き合ってください。じゃ、ないか。えっと、付き合い続けてください」

「ん、ぶふっ、いやごめん。笑った」


ちょっとおかしな告白で、でもこれが正しいとさえ思える。

だって一応、付き合ってるわけだから。


「いいよ。ずっと一緒にいよう」

「ずっと一緒は難しいって言ってなかった?」

「それは幼馴染みの話だろ。恋人同士なら、名前が変わってもずっと一緒にいられる」

「眞央……」

「その気があればの話だけど」

「うーわ、余計なこと言わなくてもいいのに」


ムッとして距離を置こうとすると、すかさず眞央の手に捕えられる。

引き寄せられたら素直に体を預けてしまうのは悔しいけど、今はそれを笑われることもなかった。


「かおるに解決しましたって言ってね」

「姉だろ。和華が言えよ」

「眞央のこと心配してたんだから眞央が言うべきだよ」


笑って、拗ねて、また笑って。

眞央の頬に触れるとくちびるが降ってくる。


紐解けばこんなにも真っ直ぐで単純で、今度はもつれないように端から手繰り寄せていけば、心が透けて見えそうな距離でいられる。


そういうしあわせを、ふたりでそっと、結んでる。



【きっともう恋じゃない。】


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