貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます【番外編追加しました】
第五章 救出
 後宮で拉致された紅華は、手足を縛られて目隠しをされた状態で乱暴に箱に入れられ、馬車らしきものに揺られてどこかへと運ばれていく。辺りはさっぱりと見えないが、その時間からして、どうやら後宮を出てしまったようだと紅華は推測した。

 馬車が止まると、紅華は箱ごとまた運ばれていく。下ろされた場所で箱から出され、どさりと置かれた場所は柔らかかった。感触からして、長椅子のようなものらしい。

(香の香り……?)


「おとなしくしていろ」

 さらわれた時と同じ声でまたそう言われると、ぱたんと扉がしまった。
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