貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
宮城に初めて来た日に話したきり、晴明には会っていない。あの時は先触れもなく現れた晴明だが、紅華が後宮に移ったので正式な手順を踏んだのだろう。
その他大勢のつもりで後宮へ来た紅華は、実際のところ皇帝とどのように過ごすかなど考えてもいなかったし、心構えもなかった。
先日のように挨拶をする程度なら気負わずになんとかできるが、さあお話しましょうとなるとどうしたらいいのやらわからない。
「落ち着いてください、紅華様。こちらへ。まずは御髪を整えましょう」
あたふたする紅華の身支度を整え、睡蓮は知らせに来た女官にお茶の用意などをてきぱきと支持する。ほどなく、再び扉を叩くものがあった。
「はい」
睡蓮が扉を開けると、晴明が入ってきた。紅華を見つけて、にこり、と笑う。
「やあ、紅華殿」
「こんにちは、陛下。まだお忙しいのではないですか?」
紅華の言葉を聞く晴明は、どことなくやつれて見えた。
「そうだね。朝議も多いしもうしばらくは忙しいかな。でも、あまり顔を出さないと、紅華殿に忘れられてしまうからね」
少しやつれた頬も、晴明が笑うとやけに色っぽく見える。
その他大勢のつもりで後宮へ来た紅華は、実際のところ皇帝とどのように過ごすかなど考えてもいなかったし、心構えもなかった。
先日のように挨拶をする程度なら気負わずになんとかできるが、さあお話しましょうとなるとどうしたらいいのやらわからない。
「落ち着いてください、紅華様。こちらへ。まずは御髪を整えましょう」
あたふたする紅華の身支度を整え、睡蓮は知らせに来た女官にお茶の用意などをてきぱきと支持する。ほどなく、再び扉を叩くものがあった。
「はい」
睡蓮が扉を開けると、晴明が入ってきた。紅華を見つけて、にこり、と笑う。
「やあ、紅華殿」
「こんにちは、陛下。まだお忙しいのではないですか?」
紅華の言葉を聞く晴明は、どことなくやつれて見えた。
「そうだね。朝議も多いしもうしばらくは忙しいかな。でも、あまり顔を出さないと、紅華殿に忘れられてしまうからね」
少しやつれた頬も、晴明が笑うとやけに色っぽく見える。