貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます【番外編追加しました】
「晴明のとこに行ってくる」

「あ」

 立ち上がった天明に、思わず紅華は声をあげた。けれど、それ以上なんと言えばいいのかわからない。

「……お大事になさいませ」

 結局それだけ言った紅華に、天明は微かに笑うとひらひらと手を振って部屋を出て行った。

(天明様……)

「では、紅華様もお部屋に戻りましょう」

「ええ」

 紅華は、くすぶった思いを抱えたまま立ち上がった。
< 92 / 222 >

この作品をシェア

pagetop