ラブ♡ディスタンス【完】
「俺さぁ、母親が死んで
先輩たちの卒業式出られなかったじゃん。」
『うん。』
「ずっと体調悪くて長いこと入院してたし、
もう長くない、って言われてたから
ある程度心の準備はできてたんだ」
志樹君は、どこか遠いところを見ながら
ぽつりぽつりと話はじめた。
「だから、母親の死、よりも
先輩たちの卒業式に出られなかったのが、
ショックだったんだよね」
『そんなのっ。
自分の卒業式じゃないんだから
気にしなくていいんだよ。
お母さんのことのほうが、
ずっとずっと
何倍も何百倍も大切でしょ?』
「最後の数日は、
もう話せない状態だったから
たぶん、凪先輩が思ってるほど
あのときの俺は
ヘタってなかったと思うよ」
『そうかもしれない。でも
お母さんを亡くした悲しみは
そのときだけじゃない。
よくわからないけど
きっと、数年経って』
私はまっすぐに、志樹君を見た。
高校2年生だった志樹君に
伝えられなかった思いを
目の前の19歳の志樹君に
言ってあげたいと思った。
先輩たちの卒業式出られなかったじゃん。」
『うん。』
「ずっと体調悪くて長いこと入院してたし、
もう長くない、って言われてたから
ある程度心の準備はできてたんだ」
志樹君は、どこか遠いところを見ながら
ぽつりぽつりと話はじめた。
「だから、母親の死、よりも
先輩たちの卒業式に出られなかったのが、
ショックだったんだよね」
『そんなのっ。
自分の卒業式じゃないんだから
気にしなくていいんだよ。
お母さんのことのほうが、
ずっとずっと
何倍も何百倍も大切でしょ?』
「最後の数日は、
もう話せない状態だったから
たぶん、凪先輩が思ってるほど
あのときの俺は
ヘタってなかったと思うよ」
『そうかもしれない。でも
お母さんを亡くした悲しみは
そのときだけじゃない。
よくわからないけど
きっと、数年経って』
私はまっすぐに、志樹君を見た。
高校2年生だった志樹君に
伝えられなかった思いを
目の前の19歳の志樹君に
言ってあげたいと思った。