仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
 柔らかな表情に安堵の色が見えて、騒いでいた胸がほんの少し落ち着いた。

(和孝さんも緊張していたのかな)

 ふたりの間にある微妙な空気を感じ取っていたのが私だけだとは思っていない。

 小さな罪悪感は飛び上がりたいほどうれしい気持ちに微かな影を落とした。

(でもきっと、これをきっかけに変わっていけるはず)

 これまで以上に嫌われないよう、頑張っていかなければならない。

 そう思ったおかげか、数分後の食卓は昨日より会話が弾んだような気がした。
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