仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
 その結果がこの重苦しい時間だ。

(こういうことの積み重ねで、離婚を決意されたらどうしよう。……悪いことばっかり考えちゃうな)

 吐いた溜息は思いがけず大きく響いた。

 しまったと思ったときには、こちらを見た和孝さんと目が合ってしまう。

(あ……)

「ちょっと外に出てくるよ。先に寝てていいから」

「ま、待って。今のは……」

 止める間もなく和孝さんは家を出て行ってしまった。

 どう考えても今のは誤解されている。

(違う……違うのに……)

 頭を抱えてもどうにもならない。もう和孝さんは行ってしまっている。

(完全にやらかした……)

 ソファの上で膝を抱え、せめてメールでも送ろうかとスマホの画面を見つめる。
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