月に魔法をかけられて
化粧室から戻ってからの私は、先ほどの話の内容が頭の中から離れず、パーティーどころではなかった。
パーティーが終わるまでの間、副社長の後ろ姿を見つめながら、ついて歩くことだけで精一杯だった。
無事にパーティーが終わり、私は会場のドアの前で見送っている瞳子さんやあゆみちゃんたちとは離れて、エレベーターホールの前で招待客を見送っていた。
エレベーターを待っている招待客があと数人になったところで、その中にいた純也さんが私の隣に近寄ってきた。
「美月ちゃん、このあとはもう帰るだけ?」
私にだけ聞こえるように小さな声で囁く。
「はい。おそらくそうだと思うんですけど」
「そしたらこのあと飲みにいかない? 美月ちゃん、パーティーで何も食べてないでしょ?」
「そうですね。じゃあ瞳子さんやあゆみちゃんたちも誘ってみましょうか」
瞳子さんの名前を出したあとで、果たしてこの状態で普通に瞳子さんと会話ができるか不安になる。
しまった。
あゆみちゃんだけにしておけばよかった……。
そう思いながら純也さんに視線を向けると、純也さんは右手で前髪をかきあげながら、白い歯を出してニコッと微笑んだ。
「久しぶりに美月ちゃんと2人でゆっくり話がしたいなと思ってさ」
「えっ、2人でですか?」
少しびっくりしながら目を見開いて純也さんを見る。
すると副社長が急に私たちの後方から現れ、少し機嫌の悪そうな低い声が落ちてきた。
パーティーが終わるまでの間、副社長の後ろ姿を見つめながら、ついて歩くことだけで精一杯だった。
無事にパーティーが終わり、私は会場のドアの前で見送っている瞳子さんやあゆみちゃんたちとは離れて、エレベーターホールの前で招待客を見送っていた。
エレベーターを待っている招待客があと数人になったところで、その中にいた純也さんが私の隣に近寄ってきた。
「美月ちゃん、このあとはもう帰るだけ?」
私にだけ聞こえるように小さな声で囁く。
「はい。おそらくそうだと思うんですけど」
「そしたらこのあと飲みにいかない? 美月ちゃん、パーティーで何も食べてないでしょ?」
「そうですね。じゃあ瞳子さんやあゆみちゃんたちも誘ってみましょうか」
瞳子さんの名前を出したあとで、果たしてこの状態で普通に瞳子さんと会話ができるか不安になる。
しまった。
あゆみちゃんだけにしておけばよかった……。
そう思いながら純也さんに視線を向けると、純也さんは右手で前髪をかきあげながら、白い歯を出してニコッと微笑んだ。
「久しぶりに美月ちゃんと2人でゆっくり話がしたいなと思ってさ」
「えっ、2人でですか?」
少しびっくりしながら目を見開いて純也さんを見る。
すると副社長が急に私たちの後方から現れ、少し機嫌の悪そうな低い声が落ちてきた。