怪事件捜査クラブ~十六人谷の伝説~
嫌な顔をしたのは笹崎と上河内だったが、ジャブダルと由希は覚悟を決めて大島の前まで行った。恐る恐る上河内と笹崎が遅れてやってくる。田中はその場を動かなかった。
「田中さんに見ていただかないと、説明しても意味ないと思うんですけど。それとも、罪悪感で見れません?」
皮肉を言われて、田中はカッとなった。
「そんなわけないだろう!」
怒鳴り声を上げて近づいてくる。笹崎がそっと、上河内に耳打ちした。
「なんか、田中さん怖くないですか? 人が変わっちゃったみたい」
「そうね。確かに……怖いわ」
上河内は田中の方を向いた。眉を顰めて、気分が悪そうにする。
「私まで、〝そんな気〟になりそう」
「そんな気ってどんな気ですか?」
極低声に囁いた声を聞きとられて、上河内はびっくりしながら振り返った。要が自分を見ている。その瞳に全てを見透かされているような気になって、上河内は居心地が悪くなった。
「あなた――」
「ほら、来てやったぞ!」
田中が不遜に言い放ち、上河内の言葉を遮った。上河内は半ば、ほっとしたような気がした。自分でも要に何を言うつもりだったのか解らなかったからだ。
「では、見てください」
要は言って、全員に大島の遺体を見るように促す。大島の遺体は、昨日とさほど変わりがないが、悪臭が漂ってき始めていた。上半身にひどい火傷。下半身はほぼ無傷。特にひどい火傷の箇所は、右の顔、右胸、腹だ。
「これ、なんで右側が火傷ひどいんだと思います?」
「さあ?」
気分が悪そうにしながら、ジャブダルが首を傾げた。
「もう、見なくても良いかな?」
そう告げて、後ろを向く。上河内も目を逸らし、笹崎が吠えた。
「もったいぶらないで言いなさいよ! こんなの見たくないんだからっ!」
「ですね。すいません」
飄々と言いながら、要は大島の遺体に毛布をかけた。
「水の音を聞いたんですよ」
「はあ!?」
笹崎が感情的になって要を睨む。要は構わずに続けた。
「交霊会の最中、ロウソクの火が消えて真っ暗になってすぐに、水が跳ねる音を聞いたんです。ビデオカメラの一台にもその音は収録されています」
「それが何?」
笹崎が眉間にシワを寄せる。
「笹崎さん、香油の小皿がひとつ、ソファに落ちていたんですよね?」
「ええ」
「田中さんに見ていただかないと、説明しても意味ないと思うんですけど。それとも、罪悪感で見れません?」
皮肉を言われて、田中はカッとなった。
「そんなわけないだろう!」
怒鳴り声を上げて近づいてくる。笹崎がそっと、上河内に耳打ちした。
「なんか、田中さん怖くないですか? 人が変わっちゃったみたい」
「そうね。確かに……怖いわ」
上河内は田中の方を向いた。眉を顰めて、気分が悪そうにする。
「私まで、〝そんな気〟になりそう」
「そんな気ってどんな気ですか?」
極低声に囁いた声を聞きとられて、上河内はびっくりしながら振り返った。要が自分を見ている。その瞳に全てを見透かされているような気になって、上河内は居心地が悪くなった。
「あなた――」
「ほら、来てやったぞ!」
田中が不遜に言い放ち、上河内の言葉を遮った。上河内は半ば、ほっとしたような気がした。自分でも要に何を言うつもりだったのか解らなかったからだ。
「では、見てください」
要は言って、全員に大島の遺体を見るように促す。大島の遺体は、昨日とさほど変わりがないが、悪臭が漂ってき始めていた。上半身にひどい火傷。下半身はほぼ無傷。特にひどい火傷の箇所は、右の顔、右胸、腹だ。
「これ、なんで右側が火傷ひどいんだと思います?」
「さあ?」
気分が悪そうにしながら、ジャブダルが首を傾げた。
「もう、見なくても良いかな?」
そう告げて、後ろを向く。上河内も目を逸らし、笹崎が吠えた。
「もったいぶらないで言いなさいよ! こんなの見たくないんだからっ!」
「ですね。すいません」
飄々と言いながら、要は大島の遺体に毛布をかけた。
「水の音を聞いたんですよ」
「はあ!?」
笹崎が感情的になって要を睨む。要は構わずに続けた。
「交霊会の最中、ロウソクの火が消えて真っ暗になってすぐに、水が跳ねる音を聞いたんです。ビデオカメラの一台にもその音は収録されています」
「それが何?」
笹崎が眉間にシワを寄せる。
「笹崎さん、香油の小皿がひとつ、ソファに落ちていたんですよね?」
「ええ」