初恋前夜
5
高校二年生の春。
それは盛大に咲き誇った桜の花があっという間に散り、透き通るようにきれいな青葉へと変わった頃だった。
自転車登校だった僕は、朝日を浴びながら颯爽とペダルをこいでいた。
ちょうど街の中でもシンボル的な神社の脇を走り抜けようというところだ。境内の周りには青々とした木々が立ち並ぶ。ここを過ぎるともうすぐグラウンドが見える。
そこでふと、道の先の女の子に目が留まった。
いや、正確にいえば――僕の目は彼女に釘付けになった。
その立ち姿に一瞬で魅かれてしまったのだ。
僕と同じ高校の制服だが、見たことのない子。新入生だろうか。
うちの制服をこんな清楚に着こなしている子は見たことがない。
彼女はなにやら木の枝を見上げていた。
「どうかした?」
彼女の手前でブレーキをかけ、自転車を降りた。
それは盛大に咲き誇った桜の花があっという間に散り、透き通るようにきれいな青葉へと変わった頃だった。
自転車登校だった僕は、朝日を浴びながら颯爽とペダルをこいでいた。
ちょうど街の中でもシンボル的な神社の脇を走り抜けようというところだ。境内の周りには青々とした木々が立ち並ぶ。ここを過ぎるともうすぐグラウンドが見える。
そこでふと、道の先の女の子に目が留まった。
いや、正確にいえば――僕の目は彼女に釘付けになった。
その立ち姿に一瞬で魅かれてしまったのだ。
僕と同じ高校の制服だが、見たことのない子。新入生だろうか。
うちの制服をこんな清楚に着こなしている子は見たことがない。
彼女はなにやら木の枝を見上げていた。
「どうかした?」
彼女の手前でブレーキをかけ、自転車を降りた。