そろそろきみは、蹴られてくれ。


「忙しいって言うけどさ」


するり。


橘が、わたしの手から黒板消しをもっていく。


「早くおれを、頼ればいいのに」


さらさらと上のほうを消してくれた。


「……ありがとう」

「さっき断った手前、頼りづらかったんでしょ」


……う。

< 116 / 625 >

この作品をシェア

pagetop