そろそろきみは、蹴られてくれ。


『手伝うよ』


消していたわたしに近づいて、颯爽と黒板消しをもってくれたのに。


『大丈夫、ひとりでできる』


なんて無愛想に言って、彼の手から奪い、元の場所に戻したのだ。


手伝わせてしまったら、わるいと思ったし。


チョークの粉が舞ったり、制服についたり。


いやだろうなと思ったから。


結果としては、こんなわたしのそばにいてくれて、手伝ってもらって。


ほんとう、わたし、ダメだなぁ。

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