そろそろきみは、蹴られてくれ。
花乃は凛としていて、かっこよくて、ただずっと彼女を見つめていた。
まわりの応援の声だとか、歓声だとかは、もう聞こえない。
花乃が1位で篠山くんにバトンを渡した。
花乃に向かって一瞬ニッとわらった彼が、駆け出していく。
もともと開いていた1位と2位の差が、また、大きくなって。
「篠山くん、頑張って……!」
……頑張って。それしか言えない自分がもどかしい。
だけど、でも、これがわたしの本心だから。