そろそろきみは、蹴られてくれ。
わたしの手首を掴んで、体操服から遠ざけた橘が。
「ん」
開けていたジャージの襟を真ん中に寄せ、チャックを引き上げた。
「暑いからわざと緩めたんだけど」
「んー、お行儀のため?」
「はぁ? あんたは緩めてるじゃん」
「……」
細めた目でしばらくじっと見つめられ、思わずくちびるにちからがこもった。
相変わらず顔がまぶしいなこの男……。いやでも、目のハイライトはどこに落としてきた? 拾おうか?